ひとりごと

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失われた時をもとめて (餃子編)


 やや濃い焦げ目のついた一房を酢醤油につけ口に入れた。「うん、コレ」とつぶやいて店主に視線を送り頷いた。店主も微笑んで頷き返した。一口、40年前、二十代前半から10年間折に触れて食べた味だった。

 
 先代の店主が臨終の床で現店主の手を握りしめ「餃子の味を変えるな」といったという。先代の遺言を守った味だった。

 マルセル・プルースト『失われた時をもとめて』は、ふと口にした紅茶に浸したマドレーヌの味から、幼少期に家族そろって夏の休暇を過ごしたコンブレーの町全体が自らのうちに蘇ってくる、という記憶を契機に展開していく小説である。(残念ながら読破していないことを白状します。)

 

 以前書いたことだが。セッション中に背反らせ(動作法の技法)をしていたとき、自己弛緩の動きが止まり「もう数秒遅かったらトイレに駆け込むところでした」クライアントの女性はいった。「つわりでした」と彼女は言った。記憶は、脳だけの問題ではないと考えさせられたケースだった。「身体的な記憶」と矛盾した形容をしたい気持ちだった。

 

『脳を鍛えるには運動しかない』という本もある。心身は一元的な現象であると考える動作法では何らかの違和感もない。

 

 「舌がおぼえていた」という。「からだが覚えていた」という。これらも矛盾した形容なのだが、違和感を感じないまでに日常的に使われている。これも「身体的な記憶」の一つなのだろう。ヒトの可能性を感じた夜だった。

画像配置箇所

 指扇 漫漫亭

動作法 おおみや

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パールマンションⅠ-112
アクセス
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